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はんぶんにおって、もういちどはんぶんにおって・・・

何枚も折り紙を折っていると、真四角のはずの紙がほんのコンマ数ミリ歪んでいるということが少なくない。
半分に折って端をきれいに合わせると、どこかが少しだけどずれてしまう、或いは小さな小さなしわができてしまう。

ふくろをひらいてつぶす。うらがえしておなじようにふくろをひらいてつぶす・・・

ずれてしまった端をできるだけ丁寧にそろえていく。しわをゆっくりのばしていく。
それでもやっぱりどこかが歪んでいる。

おっておりめをつけてもどす。はしをもちあげてふくろをつくってつぶす。うらがえしておなじようにふくろをつくってつぶす・・・

何度も何度も直すけれど、折り進めていくにつれて歪みは目に見えるようになっていく。でも複雑に折り込まれた紙はもうはじめに戻って元から直すことができない。

まんなかにむけておって、なかわりおり。はねをひろげてできあがり・・・

最後の仕上げをして、折り紙は一見きれいなカタチになる。でもよくよく見てみると、紙が重なってしまったりすき間があいてしまったり。
なんの後悔もなく、納得して折れることなんて滅多にない。

僕はどうすればよかっただろう。
少しでも歪んでいる紙なんて、くしゃくしゃに丸めて捨ててしまえばよかったのか。
それとももう完全に直すことができないとわかったら、すぐに放り出して次の折り紙を折ればよかったのか。
それが“きれいな折り紙”を折るには正しいことなんだろう。
でも、僕には願いをかけたその折り紙を捨てることがどうしてもできない。

はじめから歪んでいたとしても、手を加えるほどずれていくとしても。
最後まで心をこめて丁寧に折り込んでいくことしかできない。
何度でも何度でも願いをかけて。

はんぶんにおって、もういちどはんぶんにおって・・・
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