この素晴らしい世界を生きるために
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
原爆の広島を描き出した名作。
「被爆日記」を綴る閑間重松、“黒い雨”に打たれた重松の姪矢須子、原爆を落とされた人間が「生きる」とはどのようなことか。
そこに生きた人間が中心に据えられているからこそ、これほど長く読み継がれているのでしょう。
400頁足らずの文章が、途方もなく長く苦しいものでした。
被爆した人間の描写は、まさに凄惨です。
何度も吐き気を覚え、想像することさえ躊躇うようものです。
それでも、僕は本当の戦争も、原爆の強烈な光や熱も、黒い雨も“知らない”のです。
もちろんそれは知らないほうが幸せなことです。
でも、忘れてしまってはいけないことです。
その傷の、何千万分の一、何億分の一でもこの身に刻むためにはどうすればいいのだろう。
いつまでも忘れないように、もう二度と繰り返させないように。
PR
この記事にコメントする