この素晴らしい世界を生きるために
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ジュゼッペのあだ名は「トリツカレ男」。
何かに夢中になると、寝ても覚めてもそればかり。
オペラ、三段跳び、サングラス集め、潮干狩り、刺繍、ハツカネズミ etc.
そんな彼が、寒い国からやってきた風船売りに恋をした。
無口な少女の名は「ペチカ」。
悲しみに凍りついた彼女の心を、ジュゼッペは、もてる技のすべてを使ってあたためようとするのだが・・・・・・。
偶然出会ったこの本に、僕もまたとりつかれてしまったみたい。
暗い灰色の空から降りてきた最初の雪の一粒のように、素敵な物語です。
「きみはばかだ。世界一のばかだ!」
ハツカネズミはガラスみたいな涙をこぼしながら、
「なんで、どうして、そんなことしなくちゃなんだい?」
まっ白い息のなかでジュゼッペはしずかに、
「しょうがないさ、おれは」
と笑った。
「ばかげた、トリツカレ男なんだから」
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