この素晴らしい世界を生きるために
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伊坂幸太郎さんの作品を初めて読みました。
無表情を装ってそっけなく、ぶつぶつに切れた文章ははじめはとっても読みにくかったです。
正直中盤までは何度も読みながら寝ちゃいました
ただこれがこの人の作り出す空気なのだと気づき、伝えたいことが見えてきてからははまりました
この本を単なる謎解きのミステリーとして読むことはもったいない。
あと作品中に数多く引用される言葉や寓話などが、とってもおもしろい。
ガンジー、ジャン・リュック・ゴダール、バタイユ、トルストイ、マルキ・ド・サド、DNA、桃太郎、フェルマーの定理、カラマーゾフの兄弟、アレクサンダー・グラハム・ベル、ラスコーの壁画、ネアンデルタール人、メロス・・・
すべてが作品の世界からずれていないというのは見事です
きっと“重力”は消えてなくなったりはしない。
でも、その中でもなにかを飛び越えることはできる。
或いは落ちても大丈夫でいられる。
そう信じられるものを持っていることが大切なんだ。
「気休めは役に立たないかな、兄貴」
「そうでもないさ」と私は答えた。「母さんは気休めが好きだった。人を救うのは、気休めの美味い料理だと信じていた」
「何だ、そうか」春は目尻に皺をつくり、微笑んだ。
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