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2009年最後の本になった吉田修一さんの『悪人』。

この本との出会いは、横浜美術館でみた束芋さんの作品です。
新聞で『悪人』が連載されていたときに、その挿絵を描いていたのが束芋さん。
『悪人』の挿絵はもちろん、束芋さんの映像インスタレーション(場所や空間全体を作品として体験させる芸術を「インスタレーション」と言うそうです)はとても印象的で、束芋さんの世界に迷い込んで囚われてしまったようで、“みる自分”を包み込むことで作品が完成するような、不安になると同時にずっとここにいたくなるような・・・。

束芋さんの感じた『悪人』を、僕はどう感じるだろう?
そんな思いから手にした本です。


福岡と佐賀の県境の峠道、三瀬峠で石橋佳乃は絞殺された。
この事件に繋がれた多くの人びと。
清水祐一、増尾圭吾、石橋佳男、里子、房枝、憲夫、沙里、眞子、金子美保、鶴田公紀、仲町鈴香、寺内吾郎、林完治、珠代、馬込光代・・・
彼ら、彼女らは、誰に会いたかったか?
そして彼ら、彼女らは、誰に出会ったか?

人は一人では生きていけない。
どうしても、人は人と
溶け合い、絡まり合い、食い合い、傷つけ合い、通じ合い、憎しみ合い、握り合い、殺し合い、叫び合い、抱き合い、罵り合い、求め合い、触り合い、繋がり合い、愛し合い、
人は人と出合い

僕は誰に会いたかったのか?
僕は誰に出会ったのか?
僕が出会った“悪人”は、誰だったのか?

“悪人”って・・・?

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『食堂かたつむり』、『喋々喃々』の小川糸さんの待望の新作です

リリーと菊さん、二人の女性が素敵すぎる、強すぎる、美しすぎる
それに比べて、男たちときたら・・・
やっぱりかなわないですね。

誰もが知っている当たり前のこと。
でも、僕たちはそのことを抱きしめるためにこの世に生まれてくるのかもしれないなぁ。
なんてことをしみじみ感じさせてくれる、小川糸さんの本の雰囲気がやっぱり好きです


そして、一年に一度でいいから、秋になって林檎が実ったら、私達に、ここに来てほしいと言ったという。それで、林檎を収穫して、生でもいいし、アップルパイにしてもジャムにしてもいいから食べてほしい、と。そして、もし月日が経って木が朽ち果てたら、幹を燃やして暖を取るのに役立ててほしいと言ったそうだ。


「人って、一人じゃ生きていけないんだね。そのことが、リリーと離れていてよくわかったよ。」


兄「これにはさわっちゃだめなの。わかった?」
僕「うん。」

幼い日の兄と僕です。

2歳上の兄のことを、「お兄ちゃん」」と呼んだことはない。
ずーっと一緒に、もちろんケンカもいっぱいしたけれど、仲良しの兄弟として育ってきた。

勉強も、スポーツも、絵も、なんでも器用によくできた兄。
元気いっぱいで、いたずら好きで、みんなに愛されていた兄。
そんな兄にいつも憧れていた僕。

話し方も、振る舞いも、好きなスポーツも、好きな食べ物も、好きな音楽も、着る服も、考え方さえも
僕を形作るもので、兄の影響を受けていないものはないんじゃないかな。

昔は、それが僕の最大のコンプレックスだった。
今は、それが兄との絆のようで嬉しい。

今なら、兄の中にも僕がいることがわかるから。
人は、鏡のように互いを映して、繋がっていく。

幼い日と同じように、これからもいろんなことを教えてほしい。
そして、これからも一緒にいっぱい遊ぼう。
いつまでも「兄弟」で。

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とてもいい結婚式でした
幸せそうな二人をみて、兄との今までを思い出し、ちょっと泣いちゃいました

二人の歩む道が、末長く幸せに満ち溢れたものでありますように
ちなみに春には新しい命が生まれる予定です

愛する「家族」が増える、こんなに嬉しいことはありません



兄が作ったビデオの中で流れた沖縄民謡『てぃんさぐぬ花』が、とても心に残りました


てぃんさぐぬ花や               ホウセンカの花は
爪先(ちみざち)に染(す)みてぃ       爪先に染めなさい。
親(うや)ぬゆし事(ぐとぅ)や        親の言うことは、
肝(ちむ)に染みり               心に染めなさい。


天ぬぶり星(ぶし)や             天の群星は
ゆみばゆまりゆい               数えようと思えば数えきれるけど、
親(うや)ぬゆし言(ぐとぅ)や        親の言うことは、
ゆみやならん                 数えられない。

いま故郷へ向かう電車に揺られています

兄の結婚式にでるために。

「兄の結婚式」という響きがなんだかとても不思議です。
まだ実感はないけど、とにかくおめでたいことです

では、いってきます

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